それは夜中のことだった。
私は眠りが浅くなり、何度か目覚めた。
その前後、私は夢を見ていた。
自宅のような、それでいて旅館のような感じで、
なぜか、
部屋には他に3人の、何かの作業員風のおじさんたちが、泊まっていた。
まあ、それは夢の中なので、どうでもいいのだが、
それを見ているときに目が覚め、また眠りに入るというのを、私は2・3度繰り返していた。
そしてまた眠りに入った時、
「ああ、これは、さっきの夢の続きだ・・」
というのが分かった。
(これ自体は、多分、誰でも経験したことがあるはずだ)
「ああ、これは夢の中なんだ・・」
私がそんな事を思いながら、さっきの夢の続きの中にいると、
一人の、
(たぶん家の外壁かなにかの)セールスの人が、玄関に尋ねてきた。
私は応対に出た。
セールスの人は、名刺を出しながら、
「実は・・」
と言いかけ、
私は、
そういった場合の対応の常で、
(なんと言ってお断りしようか・・・)
と思った、
その時、
さっきの、部屋に泊まっていたおじさんのうちの一人が、
私たち二人の横へ来て、
こう言ったのだ。
「ここは、こん人ん夢ん中ですもんな。」
(ここは、この人の夢の中なんですよ)
それに対して、セールスの人は
「ああ、そうですか・・」
と、答えかけた。
その瞬間!
その場面は、
<一時停止?>
したかのように止まったかと思うと、
<まるでガラスを叩き割ったかのように>、
場面が粉々にひび割れ、
次の瞬間には、
その
<ひび割れた夢と、現実の暗闇>
とが、
<<目の前で、モザイクのように混ざり合った>>
のだ!?
と、同時に、
ものすごい衝撃で、私の体の中から、
<圧倒的な、なにか!?>
が、
悲鳴をあげるようにして、大急ぎで走り去っていったのを感じた。
そして全身に、
特に両腕の外側に、
まるで、体の中から吹き出した泡が、次々と爆発するかのような感じで、
今まで経験したことのない、
<激激烈な鳥肌>
が、立ちまくったのだ。
「うわ、うわ、うわあ・・・し、死んじゃうんじゃないか!?!?!?!?!?」
私は、この、
<夢から現実>
への、摩訶不思議でいびつな転換、
そして続く、
<体を襲う強烈な感覚>
に、強くそう感じ、心から恐怖していた。
幸い、
しばらくして後、
それらは、徐々に治まったのだが、
この不思議な体験の
<恐怖>
は、
その後も消え去ることはなかった。
そして、この時、私は知ったのだ。
<夢と現実は、決して混じり合ってはならないものなのだ!>
と。
そう、
考えてみれば、
確かに私たちは、夢から覚める時、
たとえ徐々に目覚めたとしても、夢と現実は、
ある時点で
<すっ>
と、入れ替わるのが常で、
はっきりと両世界が混じり合うということは、無いのだ。
そして、
それはそんなもんなんだと思っていたが、そこには、
実は、
<不可侵の絶対的決まり事>
が、
存在するのかもしれない。
一瞬ではあるが、あの
<モザイク>
の時、確かに、
<夢と現実>
は、一つの空間に
<百パーセントずつ混じり合っていた>
そして後に残る、
<恐怖と、ものすごい嫌悪感・・・>
夢の世界が、現実に浸食したような、いや、その逆のような・・・・
非現実の世界が、現実に・・・・
とにかく、あってはならぬ事が起こった。
そんな恐怖に、その夜私は包まれていたのだった。
余談だが、
次の日、私は
<不思議な体験をした>
と、昨夜の恐怖を引きずりながらも仕事をし、
その不思議体験を、まわりに話したりして一日を過ごした、
その夜・・・、
あの、これからの人類の歴史を変えたとも言われる、
悪夢のような、
<ハイジャック機によるテロ事件>
がアメリカで起こった。