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| 二十二、ホログラフィーの真実 「雷羅お姉ちゃま〜、元気でね〜〜!!」 「ああ、愛羅もな〜、舞羅姉貴、悪いけど後を頼むぜ〜!」 「雷羅、向こうに着いたら、すぐ連絡するのですよ〜…」 大地達がこの時代に召還されたときと同じように、王宮広場を激しい光が包み、風が舞い上がり、雷鳴が轟いた! そしてしばらくしてそれらが全て消えクリアーになると、大地、雷羅、そして大全の三人の姿は、この世界から完全に消滅していた。 「ふうー…………………」 ホログラフィー大地老人は、大地達が過去へ跳んだことを見届けると安堵のため息をついた。 そして、 「ワシの役目も、ようやっと終わったの………」 と、つぶやくと、ずっと抱きあったままの“恋人たち”に近づいていった。 「未来よ……」 「は、はい……??」 未来は、紫蘭に抱かれたまま顔を上げた。 「実は…………今までお前達に、隠していたことがあるのだ。」 「え?………………な、なんですか?」 大地老人は、ゆっくりと二人の前に立つと、大きく一呼吸をして、言った。 「今こそワシの、本当の姿を見るがよい!」 言うや、ホログラフィーはぼやけ、そこには新たな姿が! 「ああっ!? そ、その姿は!!!!…………」 二人は驚きの声を上げた! そしてそれは、その様子を横で見ていた舞羅、愛羅、そして先々代王や孔明親子、ンタラチュラも同じだった! 一同は、食い入るようにその姿を見つめた。 そこにいたのは、たしかに大地老人だった。だが、今まで見慣れた彼ではなかったのだ! 彼は車椅子に座っていた! その右腕は、肩からえぐれて無かった! その左目は、真っ黒な穴が空いていた!! そしてその両足は、膝から下が完全に切断されていた!!! 唯一残る左手も、その指は一本も無かったのだ!!!! 「これが、ワシの真実の姿なのだ……。もっともほれ、このように“お前”が作ってくれたものが…」 そう言うと、無くなった部分に、人工の目や手足が実体化した。 「こうなると、まるでサイボーグじゃがの。」 大地老人は苦笑いを浮かべながら、大地達が消え去った装置の中を見つめた。 大地老人の話は続く。 「かつて……ワシがこの世界に召還されて戦った時、ワシにアドバイスしたホログラフィーも、やはりワシ同様、真実の姿を隠しておった。」 「それはつまり……、大地に本当の姿を見せてショックを与えないため?」 「うむ……。だが未来、その時のホログラフィーは、今のワシと違って、一つだけ機能が足りなかったのだ。」 「???」 未来と紫蘭は、顔を見合わせた。 「それは、ワシが三次元に“実体化”したエネルギー体であるのに対し、その時のホログラフィーは、ただのホログラフィー、“映像のみの存在”にすぎなかったのだ!」 「映像のみの、存在????………………」 「うむ………」 大地老人は、コクリと深くうなずいた。 「ああっ!!!!!!!!」 あることに、気付いた! 「じゃ、じゃあ…、大地が、暗黒龍王に肩を突き刺された時、あなたはエネルギー体と化して大地を救ったけど、本当はその時、大地の腕は…………」 「そう……、この足は、過去へ帰って後、ヤツとの二度目の戦いの時失ったものなのだ。だが……、この目とこの右腕は、火星での戦いの時無くしたのだ!」 「そ、そんな……!!」 未来は、思わず両手を口に当てた。 「……ワシの場合、それでも紫蘭やじいちゃんに助けられて、今回の大地同様なんとか暗黒龍王に勝利した……。しかしその後のワシは、この重傷を負ったままの瀕死の姿で、元の時代に戻らねばならなかったのだ。それゆえお前は、このケガが“自分のせいだ”と責任を感じ、一緒に元の時代に戻ったのじゃよ!」 「あ…………………」 未来は言葉を失った。 そうか、それが真実だったのか!! 大地老人は、遠くの空を見上げた。 「やがて大人になると、お前とワシは運命と使命に基づき結婚した。そして、ワシらの間には四人の子供が生まれ、それはそれで、それなりに幸せな日々を送ったのだ………………。 ……だが、お前は、心の奥底では別の生き方をいつも夢見ていたようだ。それは、“もしもこの世界から戻っていなかったら?”………と!」 「!!………」 未来は、紫蘭の顔を見上げた。 「そこでお前は、家系の祈祷術、そして科学や医学を自らの使命として勉強する傍ら、“多重世界”の研究実験を密かに始めたのだ。“別の生き方、その可能性があったのか?”……、と。」 「実験? あ……、も、もしかしてそれって、あの、失敗して指名手配を受けたという……」 未来は、顔を赤らめた。 「ピンポーン♪ 結果、実験は見事に失敗したものの、しかし、お前は多重世界の存在を確認したのだ! そこでお前は、それをワシに託すとともに、今度はワシを実体化ホログラフィーとすることで、歴史の変化を促したのだ!」 「……変化って、つまりあの時、あなたが大地を助けたことで、今度は別の歴史が………」 「そうだ。今回大地は大ケガをせず、お前もまた心に自責の傷を負わずに済んだ! そうして、お前と雷羅が入れ替わる準備が整ったのだ。そして、実際お前たちは、ワシらの時とは決定的に違う選択をしたのだ!」 「うむ。」 大地老人は、また深くうなずいた。 「良く聞くがよい、未来……。雷羅と前が入れ替わったこの時点から、この世界はもうワシの来た“過去”ではなく、また、今しがた過去へ帰った大地たちの“未来”でもなくなったのだ!! 大地と雷羅、そして紫蘭と未来、ともに“今”を出発点として、多重世界で別々に新たな歴史を作るがよい!!!」 「で、でも………それでは、あなたは、あなた自身の過去は、もう―………」 「そう、確かにここまでは存在したが、お前達が入れ替わった今、それは別世界の事となった! ワシ自身の過酷な歴史は、今の大地に受け継がれる事なく、今ここで終わったのだ!!!」 「……………」 未来は、紫蘭から離れると大地老人に近寄った。 そして、 「大地、あなたは、あなたは………」 と、涙を流しながら抱きついた。 老人は、そんな彼女の頭を、そっとやさしく抱きしめた。 「いいんだよ未来……。“ワシの歴史”では、お前は十分にワシを愛してくれた! ワシもまた、そんなお前を心から愛したのだから…………。」 「うん………、うん………」 未来の頬から、大粒の涙がしたたる。 「未来…………、お前には、今度こそ本当に幸せになって欲しい……。ホログラフィーの身となって、なお、ワシにはそれだけが望みなのだ…。もちろん、雷羅と帰った若き大地にも、また幸せな世界が待っていると信じての!」 〜fine〜 |
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最後までお読み戴きありがとうございました。 尚、別記として、雷羅から姉へのメールと作者後記をお送りしています。全話読んでなおかつメールや後記まで読みたいという方は、下にあります別記をクリックしてください。 |
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別 記
(雷羅からのメールと作者後記) |
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