まえがき
私の最も好きな小説は、E・E・スミスのスカイラークシリーズとレンズマンシリーズでした。
特に、レンズマンシリーズの最終巻のストーリーに描かれた、キム(キムボール・キニスン)とクリス(クラリッサ・マクドゥガル…この時はクラリッサ・キニスン)の、この宇宙を遙かに越えてつながる、二人の心と愛の物語は大好きで、幾千幾万の別宇宙を越えて二人が再び結ばれるストーリーを、中学生の時、涙しながら読んだ記憶があります。

そしてその感動は、長い年月を経てもなおいまだ消えることなく、私の心の奥底に熱くきらめいているのです。
「いつか、こんな(SFなのに)すばらしい愛のストーリーを描いてみたい…」
そんな思いは、以後ずっと心の中にありました。

人は誰でも一つは物語が書ける…そんな話を聞いたことがあります。年月を経て、あのキムとクリスの壮大な物語りには及ぶべくもありませんが、私も一つの愛の作品を作りたいと思う時がやって来ました。

バブルがはじけ、オウム事件があり、阪神淡路大震災があり、その他いろいろな災害や事件が頻発しながらの世紀末・そして新しいミレニアム。
私たちの心の中には、「2000年を過ぎたら、新しい時代・希望が始まる…」そんな思いや予感、希望がありました。
 が、しかし実際は、さらに世の中が混沌とし、ますます人々は指針や目標を消失したまま生きているのが現実ではないでしょうか。
こんな世の中だからこそ、時代ではない、浮かれない、揺れ動かない、宇宙を越えても「愛している」と言えるキムとクリスの物語りのような、「真実」が必要なのではないかと思うのです。
私は、あの作品に及ぶべくもありませんが、そうした思いで、ここに一つの物語を描き上げました。

宇宙の始まりから続く、「神と邪悪」=「人と滅びの神」の闘い。そして過去から未来に続く永遠の愛…
時空間を越えて呼び合う二つの、そして二組の魂。

時を越えて愛を貫く、16歳それぞれの魂。
若いがゆえの、そして若かったからこそ生涯をその愛で生き、自らの過去と未来の歴史を、邪悪なる存在との命を掛けた闘いを通してなお、その愛で切り開いて行く物語です。

数千年という遙かなる時を越え、愛し合うようになる二組の魂。
彼らは天により定められし使命=闘いを終えると、それぞれの世界に戻らなければなりません。
時を越えた出会いが運命なら、時を越えた愛も運命。
若いがゆえの純粋な心と愛は、どのような闘いと結論を、それぞれの心と運命に下すのでしょうか?

そして、その結論=決心もまた、新しき運命……

この物語が、あなたの心に残る作品の一つになれば幸いです。
絵無し第一章へ
絵付き第一章へ